水金地火木土天海冥はなぜ消えた?冥王星除外の真相と太陽系の新常識
水金地火木土天海冥はなぜ消えた?冥王星除外の真相と太陽系の新常識についての真相をご紹介します。
冥王星の除外劇は、ある日突然思いつきで始まったわけではありません。2000年代初頭から加速した太陽系外縁天体の相次ぐ発見が、天文学者たちを追い詰めていました。1990年代以降、高性能望遠鏡やデジタル観測機器の進化により、海王星のさらに外側に位置するエッジワース・カイパーベルト領域で、大型の天体が次々と見つかり始めたのです。
決定打となったのは、2005年にカリフォルニア工科大学のマイク・ブラウン教授らのチームが発見した天体「2003 UB313(現:エリス)」でした。当時の初期観測データにおいて、エリスは冥王星よりも直径が大きいと推定されました。「冥王星が惑星なら、エリスも第10惑星に指定しなければ論理的におかしい」という深刻な矛盾に直面したのです。
マイク・ブラウン教授が後に著書『How I Killed Pluto and Why It Had It Coming(わたしは如何にして冥王星を殺したか)』で振り返っているように、学界には強い危機感がありました。冥王星の地位を温情で守れば、エリスに続き、セドナ、クワオアー、マケマケ、ハウメアといった天体も次々と惑星に認定せざるを得ず、太陽系の惑星数は将来的に数十個、下手をすれば100個以上に膨れ上がる可能性が現実味を帯びていたのです。科学的客観性を保つためにも、境界線を厳密に引き直すことは避けられない要請でした。