せいろ・ざる・もりの違いは海苔だけじゃない!器やつゆの歴史を解剖
せいろ・ざる・もりの違いは海苔だけじゃない!器やつゆの歴史を解剖に関する注目トピックを分かりやすく解説します。最新情報を求める方は必見です。
「せいろ」という名称には、蕎麦が麺料理として確立された黎明期の調理法がそのまま刻まれている。蕎麦切りが考案された江戸初期(寛永・元禄期)、つなぎの小麦粉を使う技術が未発達だったため、蕎麦粉100%の麺は茹でると千切れやすかった。そこで、蒸籠に入れて蒸気で蒸し上げてそのまま客に出していたのである。
製麺技術の向上によって「茹でる」調理法が主流になった後も、蒸籠という器だけは残り続けた。これには江戸後期の経済政策も深く関係している。天保の改革などで幕府から蕎麦の価格統制が敷かれた際、店側は実質的な値上げを行うため、蒸籠の底を上げた「上げ底」構造にして見た目のボリュームを保ちながら量を減らして提供した。
現代におけるせいろは、余分な水分をほどよく落とし、蕎麦の香りとコシをベストな状態でキープするための優れた配慮として機能している。