「水素水はただの水」の真相|国民生活センター検査とエビデンスを検証
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化学的な定義において、水素水と普通の水の違いは非常にシンプルです。普通の水(H₂O)そのものの分子結合が変化しているわけではなく、精製水や天然水の中に気体の水素分子(H₂)が物理的に溶け込んでいる状態を指します。炭酸水が二酸化炭素を水に加圧溶解させているのと同様の原理です。
常温・1気圧の環境下において、水に溶けることができる水素の限界値(飽和溶存濃度)は約1.6 ppm(1.6 mg/L)と極めて微量です。特殊な加圧技術を用いて3.0〜5.0 ppmといった高濃度を謳う製品も存在しますが、常圧に戻した時点で過飽和分の気体は速やかに大気中へと揮散していきます。
ここで極めて重要になるのが、容器の素材です。なぜ市販の高品質な水素水がペットボトルではなくアルミパウチで売られているのか、その明確な理由が存在します。水素は宇宙で最も小さく軽い分子です。ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂でできた一般的なペットボトルの分子の網目構造など、水素分子にとってはスカスカの格子戸のようなものであり、数日から数週間で容器の壁面をやすやすと透過して抜け出してしまいます。
金属箔を用いた4層構造のアルミパウチ容器だけが、極小の水素分子を長期間閉じ込めておく物理的バリアとなり得ます。ペットボトル入りの安価な製品を見かけた場合、充填時にどれほど高濃度であっても、消費者の手元に届く頃には水素が抜け切った「文字通りのただの水」になっているリスクが極めて高いため、注意が必要です。