『天気の子』結末の真意と裏設定|賛否両論のラストを徹底解剖
『天気の子』結末の真意と裏設定|賛否両論のラストを徹底解剖にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
映画のクライマックスにおいて、森嶋帆高は「人柱」となって青空を取り戻した天野陽菜を現世へ連れ戻すため、警察の追手を振り切って廃ビルの屋上にある鳥居へと疾走します。神仏へ祈りを捧げる中で放たれた「青空よりも、俺は陽菜がいい! 天気なんて狂ったままでいいんだ!」という叫びは、本作における最大の転換点です。
陽菜を救出した結果、東京は3年間にわたって雨が降り続け、江戸時代の地形へと逆戻りするように広範囲が水没しました。従来の少年漫画やハリウッド映画の王道であった「自己犠牲によって世界を救う英雄譚」を真っ向から否定したこのラストシーンに対し、公開当初は「無責任なエゴイズムではないか」「倫理的に受け入れがたい」といった批判的な声も寄せられました。
しかし、新海誠監督が各種メディアの公式インタビューや劇場パンフレット等で繰り返し語っているのは、「大人が築き、狂わせてしまった気候変動や社会構造の責任を、たった一人の少女の犠牲で帳消しにしてはならない」という強烈なアンチテーゼです。帆高と陽菜の決断は、身勝手な逃避ではなく、「狂ってしまった世界の中で、自分たちの選択の責任を背負いながら共に生きていく」という覚悟の表明に他なりません。