夜に爪を切ると親の死に目に会えない?噂の真相と世詰めの語源を解明
夜に爪を切ると親の死に目に会えない?噂の真相と世詰めの語源を解明の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
この言い伝えの言語的な起源として最も有力なのが、同音異義語を用いた掛詞(ことばあそび)説だ。
夜に爪を切る行為を指す「夜爪(よづめ)」という言葉は、自らの人生・寿命を縮めることを意味する「世詰め(よづめ)」と発音が完全に一致する。言葉の響きに霊的な力が宿ると信じられていた言霊(ことだま)信仰の時代において、縁起の悪い音を発したり連想させたりする行為は強く避けられた。
「夜爪を切る」ことが「現世の寿命を詰める(=早死にする)」に通じるため、子どもや家族の長寿を願う親たちが強い危機感を持って「夜爪=世詰めになるから切ってはならない」と戒めたのが定着したとされる。
さらに別の説として、江戸時代に城や屋敷の警護にあたった夜勤の武士「夜詰(よづめ)」に由来するという見解もある。夜詰めの任務に就く武士は常に命の危険と隣り合わせであり、殉職して親の死に目に会えない者が多かったことから、夜爪と夜詰を重ね合わせたという俗説も語り継がれている。