無気肺とは?術後に多発する原因と初期症状・治療と予防の全貌
無気肺とは?術後に多発する原因と初期症状・治療と予防の全貌について詳しく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
肺は左右合わせて約3億〜5億個もの微小な袋である「肺胞」で構成されています。通常、吸い込んだ空気中の酸素はこの肺胞の薄い壁を介して毛細血管の血液中へ取り込まれ、代わりに二酸化炭素が排出されます。しかし、無気肺(Atelectasis)に陥ると、この肺胞がぺちゃんこに潰れてしまい、空気の出入りが完全に途絶えてしまいます。
肺胞が虚脱すると、その部分を通過する血液は酸素を受け取ることができないまま全身へ戻るため、動脈血中の酸素濃度が低下する低酸素血症が引き起こされます。無気肺は発生する機序によって主に以下のタイプに大別されます。
代表的なものが、太い気管支から末梢気道に至るまでの空気の通り道が痰や異物、腫瘍などで塞がれる閉塞性無気肺(吸収性無気肺)です。気道が閉塞すると、閉じ込められた肺胞内の空気が毛細血管へ徐々に吸収され、最終的に肺胞の内圧が低下してペシャリと縮んでしまいます。
もう一つが、胸水や気胸、あるいは腹部膨満などによって肺の外側から強い圧力が加わることで生じる圧迫性無気肺(受動性無気肺)です。さらに、肺胞の内面をコーティングして虚脱を防いでいる界面活性物質(サーファクタント)が減少・機能不全を起こす「癒着性無気肺」なども存在します。