ななつ星In九州はなぜ予約取れない?2026料金と乗車の極意
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車両に一歩足を踏み入れた瞬間、漂う檜や白檀の上品な香りと、計算し尽くされた木工美に圧倒されます。空間全体の意匠を手掛けたのは、JR九州の数々の名車を生み出してきた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏です。伝統工芸の「大川組子」が光を柔らかく通す格子、人間国宝の十四代酒井田柿右衛門氏が遺した有田焼の洗面鉢、繊細な寄木細工の床など、車内のあらゆるディテールが工芸美術館と呼ぶにふさわしい仕上がりを見せています。
なかでも象徴的な存在が、7号車の最後尾に配された「デラックススイートA」です。車幅いっぱいに広がるパノラマの最後部車窓を独占できるこの空間は、ソファに腰掛けながら去りゆく九州の原風景を額縁の絵画のように堪能できる究極のプライベートスイート。室内には選び抜かれた調度品が配置され、専属クルーによる細やかな配慮とともに、まるで極上のスイートルームがそのまま線路の上を滑走しているかのような静寂と贅沢を体験できます。
さらに2022年のリニューアルによって誕生したサロン空間や、本格的な立礼席を備えた「茶室」、厳選されたオリジナルグッズが並ぶ「ブティック」など、共有スペースの充実度も際立っています。客室の数を減らしてまで共有空間を拡張したこの英断こそが、乗客同士やクルーとの心地よい対話を生み出す原動力となっています。