採血やストレスで失神?血管迷走神経反射の原因と前兆・対処法
採血やストレスで失神?血管迷走神経反射の原因と前兆・対処法について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
インターネット上の検索や掲示板では、「血管迷走神経反射で脳の血管が破れるのではないか」「一度倒れると後遺症が残るのか」といった根拠のない不安が散見されます。この点について結論を言えば、反射自体によって脳細胞が壊死したり、麻痺などの後遺症が残ることは医学的にありません。脳血流の途絶はごく一時的なものであり、水平になれば血流は速やかに再開するからです。
しかし、真の脅威は病態そのものではなく「物理的な外傷」にあります。意識を完全に失って棒のように前や後ろへ倒れるため、コンクリートの地面や駅の階段、電車のつり革の金具などで頭部を強打し、急性硬膜下血腫や頭蓋骨骨折、重度の顔面裂傷を負う事例が後を絶ちません。反射自体の後遺症はなくとも、受傷による一生の後遺症を招くリスクが潜んでいるのです。
医療機関を受診する基準と「何科」に行くべきかの選択
「一度倒れただけだが、病院へ行くべきか?」と迷う人は多いはずです。受診科の選択と判断基準を明確にしておきましょう。
失神の診断において最前線となるのは循環器内科です。血管迷走神経反射の診断は「命に関わる心原性失神(不整脈、肥大型心筋症、弁膜症など)を完全に除外すること」から始まります。心電図検査、心エコー、24時間ホルター心電図、場合によっては台板を傾けて血圧変化を誘発する「ヘッドアップティルト試験」を実施し、心臓自体の器質的疾患がないかを調べ上げます。
また、失神時に手足の激しい強直や数分間のけいれん、尿失禁、意識が戻った後の長い混迷状態があった場合は、てんかん発作との鑑別が必要となるため神経内科(脳神経内科)の受診が必須となります。近隣に適した専門医がいない場合は、まず総合内科やかかりつけの内科を受診し、紹介状を依頼するのが最も安全なルートです。