ミセス大森元貴の歌唱力と天才性の正体|突発性難聴からフェーズ2の進化まで
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大森元貴の歌唱を語る上で欠かせないのが、3オクターブ半以上に及ぶ規格外の音域と、それを自在に操る卓越した発声技術です。一般的なJ-POPの男性ボーカルの最高音がhiA(ラ)〜hiB(シ)程度とされる中、大森の楽曲ではhiD(レ)やhiE(ミ)、楽曲によっては裏声・ホイッスルボイスでhihiA(高いラ)を超える超高音域が日常的に登場します。
しかし、大森の凄さは単に「高い声が出る」ことだけに留まりません。音楽関係者やボイストレーナーが高く評価するのは、以下の3つの発声技術の完璧な融合です。
第一に、ミックスボイスの圧倒的な完成度です。地声(チェストボイス)の芯の太さを保ったまま、換声点(声の切り替わり目)を一切感じさせずに超高音域へと突き抜ける技術は、声帯の強固な閉鎖と呼気の絶妙なコントロールによって成立しています。
第二に、多彩な声色のスイッチングです。切なさを帯びた繊細なウィスパーボイスから、力強く響き渡るベルティング、エッジボイスやがなり(グロウル)を効かせたロックな質感、そして澄み渡るファルセットまで、1曲の中で数小節ごとに音色を塗り替えていく表現力は圧巻です。
第三に、ソングライターとしての俯瞰的な視点です。大森は自らの声を「ひとつの楽器」として捉えており、メロディの跳躍や母音の選択(あ・い・う・え・おの響きの特性)を計算し尽くして作曲を行っています。Adoへ提供され社会現象となった『私は最強』をはじめ、他アーティストへの提供楽曲においても、歌い手のポテンシャルを極限まで引き出す緻密なボーカルディレクションが施されており、単なるシンガーの枠を超えた「総合音楽家」としての天才性が証明されています。