夏の咳が止まらないのはなぜ?風邪とカビ肺炎を見分ける3つの危険サイン
夏の咳が止まらないのはなぜ?風邪とカビ肺炎を見分ける3つの危険サインに関する主要な事実を分かりやすくまとめました。詳細な解説をご覧ください。
夏の診療所で最も多く寄せられる相談が、「熱はとっくに下がったのに、乾いた咳だけが止まらない」「日中は落ち着いているのに、夜や早朝になると激しく咳き込む」という訴えです。日本呼吸器学会の診断ガイドラインに照らし合わせても、発熱を伴わない2〜3週間以上の咳は、一般的な感染性ウイルスによる夏風邪とは異なるメカニズムで発生しているケースが大半を占めます。
夏に咳が慢性化する主な背景には、以下の4つの病態が存在します。
第1に、夏風邪で咳だけ残る原因として挙げられる「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」です。アデノウイルスやエンテロウイルスなどの感染によって気道粘膜が荒れ、炎症が収まった後も気道が過敏な状態が続くことで、わずかな空気の変化や会話の刺激で咳反射が誘発されます。
第2に、エアコン咳の原因と対策で注目される「寒暖差ストレスとエアコンアレルギー症状」です。冷房の効いた室内(24℃前後)と猛暑の屋外(35℃以上)を往復することで自律神経が乱れ、気管支が過剰に収縮します。さらに、エアコンから吹き出す微細なホコリやカビの胞子が気道を直接刺激します。
第3に、後述する咳喘息やアトピー咳嗽といったアレルギー性気道疾患です。ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)はありませんが、気道の内腔が狭くなり、夜間や明け方に激しい咳発作を起こします。
第4に、若年層から成人まで広がるマイコプラズマ肺炎の夏の流行です。かつては4年周期のオリンピック年に流行すると言われましたが、近年は夏季を含め年間を通じて散発的な集団感染が報告されています。マイコプラズマは頑固な咳が数週間にわたって持続するのが特徴で、適切な抗菌薬治療を行わないと周囲へ感染を広げる要因にもなります。