夏川りみ「涙そうそう」誕生秘話と現在|名曲が紡いだ奇跡の真実
夏川りみ「涙そうそう」誕生秘話と現在|名曲が紡いだ奇跡の真実に関する注目トピックをまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。
「涙そうそう」という楽曲の根底にあるのは、深い愛惜の情です。沖縄の言葉で「涙そうそう(なだそうそう)」とは、「涙がぽろぽろととめどなくこぼれ落ちる様子」を指します。この印象的なタイトルは、もともと作曲を担当した石垣島出身のバンド・BEGINが、デモテープのラベルに書き記していた仮タイトルでした。
1998年、森山良子さんがBEGINのライブに感銘を受け、「沖縄の風を感じる曲を作ってほしい」と楽曲制作を依頼したことがすべての始まりです。当時、森山さんは22歳という若さで心不全により急逝した最愛の実兄への想いを、何年経っても消化できずに抱え続けていました。父・森山久夫氏がジャズトランペッターという音楽一家にあって、いつも一番の理解者として妹の音楽活動を応援してくれていた兄の存在は、森山さんにとってかけがえのない精神的支柱だったのです。
BEGINから送られてきたカセットテープに添えられていた「涙そうそう」という言葉の響きと意味を知った瞬間、森山さんの脳裏には亡き兄の面影と、押さえ込んでいた感情が一気に溢れ出しました。「古いアルバムめくり ありがとうってつぶやいた」という冒頭のフレーズをはじめ、歌詞のすべてが兄への純粋な追悼と感謝の念で紡がれており、わずか数時間のうちに詞が書き上げられたと当時の回顧録や特番インタビューでも語られています。