被告と被告人の決定的な違いとは?民事と刑事の境界線を完全解剖
被告と被告人の決定的な違いとは?民事と刑事の境界線を完全解剖の真相について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
事件が発生してから判決が確定するまで、対象となる人物の呼び名は段階を追って変化します。この変化を把握することが、ニュースを正確に読み解く最大の鍵です。
警察などの捜査機関に逮捕され、取り調べを受けている段階では、刑事訴訟法上は「被疑者」と呼ばれます。しかし、新聞やテレビなどのマスメディアでは「被疑者」という語感が「被害者」と聞き間違えられやすいこと、また一般市民への分かりやすさを考慮し、長年にわたり「容疑者」という報道用語を一貫して採用してきました。法的な定義としての被疑者と、報道実務における容疑者は実質的に同義です。
刑事手続の標準的なタイムラインは次の通りです。
- 逮捕(警察):身柄拘束から48時間以内に検察官へ事件・証拠とともに送致(送検)。
- 送検と勾留請求(検察):送致から24時間以内に裁判官へ勾留を請求。認められれば原則10日間(延長で最長20日間)身柄が拘束される。
- 起訴・不起訴の判断:検察官が証拠の十分性や情状を精査し、公判請求(起訴)するか、起訴猶予などの不起訴処分とするかを決定。
- 公訴提起(起訴):検察官が起訴状を裁判所に提出した瞬間に、呼称が「被疑者(容疑者)」から「被告人」へと正式に切り替わる。
法務省の司法統計によると、検察が受理した事件全体のうち実際に起訴に至る割合(起訴率)は概ね3割強にとどまります。不起訴となった場合は刑事裁判が開かれないため、「被告人」と呼ばれる段階には進みません。