動脈血と静脈血の違いとは?肺動脈の逆転現象と赤さの秘密を完全解明
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生化学および解剖生理学における明確な事実として、動脈血と静脈血を分ける境界線は酸素濃度と二酸化炭素濃度のバランスに存在します。 成人の体内にある全血液量は、体重の約7〜8%を占めています。体重60kgの成人であれば約4.5〜5リットルの血液が循環しています。心臓の左心室が1回の拍動で送り出す血液量は約70mlであり、平常時の心拍数を毎分約70回とすると、わずか1分間で「70ml × 70回 = 約4,900ml」、すなわち体内にあるほぼすべての血液が1分間で心臓を巡回している計算になります。 この驚異的な循環スピードの中で、気体の運搬状態によって血液は次のように分類されます。
動脈血(Arterial blood):
肺胞で新鮮な酸素を取り込み、全身の組織へ酸素を送り届ける途上にある血液です。酸素分圧(PaO2)は約80〜100Torr(mmHg)と極めて高く、二酸化炭素分圧(PaCO2)は約35〜45Torrに保たれています。後述する酸素飽和度(SpO2 / SaO2)は通常96〜99%に達します。
静脈血(Venous blood):
全身の細胞組織に酸素を引き渡し、代わりに細胞呼吸の副産物である二酸化炭素や代謝老廃物を回収した後の血液です。酸素分圧(PvO2)は約40Torrまで低下し、二酸化炭素分圧(PvCO2)は約45〜46Torrへと上昇します。酸素飽和度は概ね70〜75%程度まで低下します。
ここで重要なのは、静脈血にも約70%もの酸素が依然として残されているという点です。「静脈血は酸素がゼロで二酸化炭素の塊」という認識は完全な誤解であり、緊急時や運動負荷がかかった際、組織がさらに酸素を引き出せるよう、人体には十分な安全マージンが確保されています。