側頭部を押すと痛いのはなぜ?危険な病気の見分け方と受診目安を解説

側頭部を押すと痛いのはなぜ?危険な病気の見分け方と受診目安を解説について詳しく解説いたします。最新の情報をお届けします。

側頭部を押して痛みが生じるメカニズムは、皮膚・筋肉・神経・血管のどの組織が刺激されているかによって全く異なります。日常的な疲労として片付けられがちですが、医学的な背景を紐解くと、主に4つの決定的な要因が浮かび上がってきます。

第1の要因は、側頭部の大半を覆う咀嚼筋の一つ「側頭筋」の筋膜過緊張です。パソコン画面への集中や精神的緊張が続くと、無意識に上下の歯を接触させるTCH(歯列接触癖)や強い食いしばりが生じます。この状態が何時間も続くと、側頭筋内に血流障害と局所的な炎症が生じ、押した部位に鋭い圧痛点(トリガーポイント)が形成されます。これが緊張型頭痛に伴う側頭部の圧痛の正体です。

第2の要因は、末梢神経の刺激による神経痛です。首の後ろから頭頂部・側頭部へと走行する「大後頭神経」「小後頭神経」「耳介側頭神経」が、頸椎の歪みや首肩の筋肉に圧迫されると、髪の毛に触れたり頭皮を指で押したりした瞬間にピリッとした痛撃が走ります。

そして最も警戒すべき第3の要因が、血管炎の一種である側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)です。側頭部を走る浅側頭動脈に免疫異常による炎症が起き、血管壁が肥厚して血流が阻害される疾患です。血管を押したときに激痛が走り、放置すると網膜動脈の閉塞によって不可逆的な失明を引き起こす危険性を孕んでいます。

第4には、耳の直前に位置する顎関節の機能不全(顎関節症)による放散痛が挙げられます。噛み合わせの不調や片側咀嚼の習慣が側頭筋への過剰な負担となり、こめかみ付近の圧痛として表面化します。このように、一口に「押すと痛い」と言っても、原因組織が筋肉なのか、神経なのか、あるいは血管なのかによって緊急度と治療法は根本から分かれます。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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