中村玉緒の息子・鴈龍の真実|座頭市事故から孤独死までの波乱録
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鴈龍さんの運命を決定的に狂わせたのが、1988年12月26日、京都・大映太秦撮影所で起きた『座頭市』の撮影事故でした。父・勝新太郎さんが監督・主演を務め、息子のデビューを飾る大一番として抜擢された現場での悲劇でした。
立ち回りシーンの稽古中、鴈龍太郎(当時24歳)が手にした刀が、殺陣師兼俳優の首藤真吾さん(当時32歳)の首筋深くに刺さり、首藤さんは翌朝に出血性ショックのため亡くなりました。小道具として使われるはずの模擬刀(竹光やジュラルミン)の中に、なぜか真剣(日本刀の本物)が混入していたという、映画界を震撼させた大事故です。
警察の捜査に対し、鴈龍さんは「本物の刀とは知らずに振るった」と証言。現場検証の結果、真剣を持ち込んだスタッフ側の管理ミスや現場の構造的問題が浮き彫りとなり、鴈龍さん自身は業務上過失致死容疑で書類送検されたものの不起訴処分(起訴猶予)となりました。しかし、法的な責任は問われなくとも、「人の命を奪ってしまった」という精神的打撃は計り知れず、長年にわたる芸能活動自粛へと追い込まれました。