牡蠣とほうれん草のグラタンはなぜ縮む?専門店が明かす黄金比と裏ワザ
牡蠣とほうれん草のグラタンはなぜ縮む?専門店が明かす黄金比と裏ワザに関する基本知識を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。
スーパーの鮮魚コーナーで「生食用の方が新鮮で高級だから、加熱調理に使っても美味しいはずだ」と思い込み、あえて高い生食用パックを選んでグラタンを作っている人は少なくありません。しかし、水産加工の現場や調理科学の観点から見れば、これは完全な誤解です。
加熱用と生食用の違いは、水揚げされた日時の新しさ(鮮度)の違いではありません。両者を分ける本質は「採取された海域の環境」と「浄化工程(断食処理)の有無」にあります。生食用牡蠣は、食中毒リスクを極限まで下げるため、保健所が指定した清浄海域で採取され、さらに無菌の海水プールで24〜48時間ほど絶食状態で蓄養されます。その過程で体内の雑菌や泥を排出させるのですが、同時に牡蠣自体の栄養や水分、旨味成分(グリコーゲンやアミノ酸)まで代謝されて痩せてしまう傾向があるのです。
上の表が示すとおり、グラタンの具材として選ぶべきは疑いなく「加熱用」です。プランクトンをたっぷり食べて育った加熱用牡蠣は身質が強靭で、濃厚なベシャメルソースに包まれても貝柱と内臓の力強い旨味が決して埋もれません。安価でありながら仕上がりは数段上になるという事実を、ぜひ買い物の段階から意識してみてください。