電通が嫌われる理由はなぜ?中抜き批判や五輪汚職の真相と現在
電通が嫌われる理由はなぜ?中抜き批判や五輪汚職の真相と現在とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
電通に対する批判の根幹にあるのは、単なる大企業へのやっかみではありません。日本の情報空間と経済活動において、特定の一社が過剰な影響力を持ちすぎたことに対する構造的不安が根底に存在します。
広告代理店という業態は、本来であれば広告主とメディアをつなぐ仲介役に過ぎません。しかし電通は、民放各局のゴールデンタイムのCM枠を一手に抑え、芸能事務所のキャスティングから大規模スポーツイベントの放映権交渉までを包括的に牛耳る独自のビジネスモデルを確立しました。この「メディア支配の構図」こそが、世論が抱く「情報操作されているのではないか」という不信感の温床となってきました。かつて大手テレビ局の元プロデューサーは「電通の営業担当者が局の編成会議にすら強い影響力を持っていた時代があった。彼らの意向に逆らえば番組スポンサーが引き揚げられるリスクがあったためだ」と当時のパワーバランスを生々しく振り返っています。
さらに世論の反発を決定づけたのが、公金が投入される国家プロジェクトにおける「中抜き批判」です。象徴的だったのが、2020年の新型コロナウイルス対策における「持続化給付金事業」でした。一般社団法人サービスデザイン推進協議会が約769億円で受託した事業が、約749億円で電通へ再委託され、さらにそこから子会社や下請け企業へと多重委託されていた実態が国会で厳しく追及されました。業務の実質的な推進力を担っていたとはいえ、巨額の税金が不透明なトンネル法人を経由して大手代理店の手数料に消えているように映った構図は、困窮する国民の神経を逆撫でし、「利権に巣食う巨悪」というネガティブイメージを決定づけました。