酒を飲まないのに肝臓の数値が高い原因は?隠れ脂肪肝の落とし穴と改善策
酒を飲まないのに肝臓の数値が高い原因は?隠れ脂肪肝の落とし穴と改善策の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
ネット上のコミュニティやSNSを観察すると、「健康診断で肝機能D判定だったが、体調はすこぶる良いので再検査をスルーしている」「お酒を飲まないのに再検査と言われても納得がいかない」といった投稿が散見されます。この心理的油断こそが、命に関わる疾患を招き寄せる元凶です。
肝臓は痛覚神経を持たず、機能の7割近くが障害されても自覚症状を出さない極めてタフな臓器です。したがって、脂肪肝の初期症状は「完全に無症状」であるのが普通です。もし仮に、肝機能障害の自覚症状として強い全身の倦怠感、食欲不振、白目や皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)、濃いウーロン茶のような尿、手足の浮腫などが自覚されたとすれば、病態はすでに初期段階をとうに超え、代償不全を伴う肝硬変や重篤な肝炎へ突き進んでいる可能性を示唆します。
肝臓の数値が高いときの危険性は、肝臓内にとどまりません。近年の大規模追跡調査データでは、非アルコール性の脂肪肝炎(MASH)を放置した場合、約10〜15%の患者が数年から十数年のスパンで肝硬変へ移行し、さらには肝がんへと発展することが実証されています。それだけではありません。肝臓の脂質代謝異常は血管内皮を痛めつけ、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患による死亡リスクを健常者の約2倍に跳ね上げることが明らかになっています。「痛くも痒くもない数値の異常」を甘く見ることは、体内に時限爆弾を抱えたまま暮らすことと同義なのです。