紀州のドンファン怪死事件|真相・遺産・判決の全貌を徹底解説
紀州のドンファン怪死事件|真相・遺産・判決の全貌を徹底解説の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
世間を震撼させたドンファン事件の真相を探る上で、まず押さえるべきは2018年5月24日夜の異常な現場状況です。野崎氏の自宅2階の寝室で、全裸の状態で倒れていた野崎氏を発見したのは、長年家政婦を務めていた女性と須藤被告でした。救急隊が駆けつけた時にはすでに心肺停止状態であり、その後の司法解剖で体内から致死量の数倍に及ぶ覚醒剤成分が検出されたことで、事件は単なる急死から一転、殺人事件へと舵を切りました。
和歌山県警が殺人容疑で須藤被告の逮捕に踏み切ったのは、事件から約3年が経過した2021年4月のことでした。これほどの時間を要した最大の理由は、犯行を裏付ける「物証」や「目撃証言」が極めて乏しかった点にあります。野崎氏の遺体には注射痕がなく、体内への摂取方法は「経口投与(口から飲み込ませた)」と断定されました。しかし、遺宅や周辺から覚醒剤の残留したグラスや容器、包装フィルムなどは一切発見されませんでした。
紀州のドンファン裁判経過において検察側が構築した論告は、精緻な状況証拠の鎖です。須藤被告が事件前にスマートフォンで「覚醒剤 死亡」「完全犯罪」といった不審なキーワードを複数回検索していた履歴、密売サイトを通じて東京都内で密売人と接触し、覚醒剤を購入していた客観的事実、そして野崎氏が死亡したと推定される時間帯に、豪邸内で2人きりだった事実を丹念に積み上げました。これに対し弁護側は「野崎氏が精力増強のために自ら摂取した誤飲事故、あるいは自殺の可能性を完全に排除できない」と主張し、無罪を訴え続けました。