なぜ通過儀礼を行うのか?成人式や七五三に潜む真実を徹底解剖

なぜ通過儀礼を行うのか?成人式や七五三に潜む真実を徹底解剖についての真相をご紹介します。

学術的に通過儀礼の意味を定義づけたのは、フランスの文化人類学者アルノルト・ファン・ヘネップです。彼は1909年の主著『通過儀礼』において、世界中のあらゆる民族や社会に見られる人生の儀礼を比較研究し、ある共通する普遍的構造を突き止めました。人間が誕生、成人、結婚、死別といった人生の節目を迎える際、それまでの社会的な立場から別の新しい段階へとスムーズに移行するために執り行われる一連の儀式を指します。

ファン・ヘネップの通過儀礼論における最も重要な発見は、すべての儀式が次の3つのプロセス(三段階構造)を経て成立しているという点です。

第一段階は「分離(Séparation)」です。これまでの社会的地位や人間関係から物理的・精神的に切り離されるプロセスを指します。たとえば、出家する者が俗世の服を脱ぎ捨てて頭を丸める行為や、花嫁が実家の敷居をまたいで白無垢を纏う行為がこれに当たります。

第二段階は「過渡・移行(Marge / リミナリティ)」です。元の立場を離れたものの、まだ新しい立場には到達していない、境界の宙づり状態を意味します。日常の規範が一時的に停止し、厳しい試練や隔離を経験する期間です。

そして第三段階が「統合(Agrégation)」です。試練を終え、新しい資格や社会的地位を獲得した存在として、共同体へ正式に迎え入れられます。外来語として定着しているイニシエーション(英語:initiation)もほぼ同義で使われますが、学術的にはこの「境界を越えて新しい存在として再誕生するプロセス」そのものを指しています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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