塩基対とは?Dnaの基本構造と30億対の謎を専門記者が徹底解明

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DNAの鎖の中で、塩基は決して無秩序に結びついているわけではありません。必ず「アデニン(A)はチミン(T)と」「グアニン(G)はシトシン(C)と」しかペアを作らないという厳密なルールが存在します。これを相補的塩基対と呼びます。

この組み合わせが決まっている理由は、分子の形と水素結合の数にあります。アデニンとチミンは互いに引き合う位置に2カ所の水素結合を形成する構造を持っています。これに対し、グアニンとシトシンは3カ所の水素結合を形成します。もし仮にアデニンとシトシンが向かい合っても、結合の手の数や空間的な凹凸が一致しないため、安定した対を作ることができません。ジッパーの左右の歯がぴったり噛み合うように、寸法の合う相手が決まっているのです。

この化学的必然性を歴史的に証明したのが、生化学者エルヴィン・シャルガフが発見したシャルガフの規則です。さまざまな生物のDNAを分析した結果、「Aの量とTの量は常に等しく、Gの量とCの量も常に等しい」という法則が明らかになりました。この実験データが決定打となり、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによる1953年のDNA二重らせん構造の解明へとつながりました。

なお、DNAからタンパク質を作る過程で活躍するRNAにおいては、チミンの代わりに「ウラシル(U)」という塩基が使われます。そのため、RNAが関わる場面では「アデニンとウラシル(A-U)」の組み合わせによるRNAウラシル塩基対が形成されます。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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