心理カウンセラー唯一の国家資格とは?公認心理師の実態と社会人の現実

心理カウンセラー唯一の国家資格とは?公認心理師の実態と社会人の現実とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。

現在一般企業に勤めている社会人が公認心理師を目指す場合、どのようなルートが存在するのでしょうか。結論から言えば、「社会人から心理カウンセラー(公認心理師)を目指す道は極めて険しいが、理論上は可能」です。ただし、甘い宣伝文句を信じて飛び込むと、取り返しのつかない時間的・金銭的損失を被ることになります。

社会人が働きながら目指す唯一の現実解は、公認心理師の対応カリキュラムを持つ通信制大学心理学部(聖徳大学、東京未来大学、京都橘大学など)への3年次編入または1年次入学です。しかし、ここには「実習選抜」という巨大な壁が立ちはだかります。

公認心理師の受験資格を得るには、学士課程において指定された医療・福祉・教育施設等での学外実習(80時間以上)を修了しなければなりません。しかし、受入先施設の受け入れ可能人数に限界があるため、通信制大学側は実習履修者を決めるための学内選抜(筆記試験・面接・成績評価)を厳格に実施しています。通信制大学に入学したからといって、誰もが実習を受けられるわけではなく、実習選考の倍率が数倍〜十数倍に達するケースも珍しくありません。

仮に通信制大学で実習を突破し、公認心理師対応の学士を取得できたとしても、それで終わりではありません。その後に待っているのは、大学院進学(修士課程)です。現在、公認心理師のカリキュラムに対応した夜間大学院や通信制大学院は全国的に極めて数が限られています。実習のためには平日の日中拘束が避けられず、多くの社会人は「仕事を退職してフルタイムの大学院生になる」という重い決断を迫られます。

社会人が現実的に心理職・支援職に就く別解としては、働きながら夜間・通信で取得できる「精神保健福祉士」のルートを選択するか、大学院入試に学歴要件が課されない「臨床心理士指定大学院」を目指すほうが、時間的・経済的なリスクを抑えられるケースが多々あります。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest