山一證券破綻の真相と現在|涙の記者会見から簿外債務の闇を追う
山一證券破綻の真相と現在|涙の記者会見から簿外債務の闇を追うにまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
山一證券における「飛ばし」は、ごく一部の歴代トップと財務担当幹部のみで秘密裏に共有される「社内最大のタブー」でした。この隠蔽工作は社内で「握り」と呼ばれ、行道(ぎょうどう)と呼ばれる歴代社長の直属ラインで管理されていました。
巧妙に作られた海外子会社や特別目的会社(SPC)を経由させ、監査法人の目すら欺き続けた簿外債務は、企業統治(コーポレートガバナンス)が完全に機能不全に陥っていた証左です。さらに、1997年には大池裕元常務らによる総会屋への巨額利益供与事件が発覚。東京地検特捜部と証券取引等監視委員会の強制捜査が入り、当時の三木淳夫社長ら経営陣が相次いで逮捕・辞任に追い込まれました。
総会屋事件を契機に、社内調査の過程で隠しきれなくなった2,648億円の簿外債務の存在がついに浮上します。格付け会社ムーディーズは山一証券の長期債券格付けを投資不適格である「ジャンク級(Ba3)」へと3段階一気に引き下げました。これにより、金融機関からの短期資金の調達(コール市場)が完全にストップし、資金繰りがショート。事実上の債務超過・即死状態へと追い込まれたのです。