松本零士『音速雷撃隊』が描く桜花特攻の真実と野上少尉の魂
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激しい対空砲火と敵戦闘機の猛攻を受け、野上を乗せた母機・一式陸攻も被弾し、満身創痍となります。機長をはじめとするベテラン搭乗員たちは、傷つきながらも「少尉を死なせてたまるか、なんとしても敵空母の直前まで送り届ける」という強烈なプロフェッショナリズムと情義で機体を前進させます。
しかし、母機の限界を悟った野上少尉は、親機のクルーたちをこれ以上巻き込むまいと、自らロックを解除して予定より早いタイミングで桜花を切り離します。点火された3本のロケットブースターが噴射し、桜花は文字通り「音速の雷撃」となって白煙を引きながら敵空母へと突進。米空母の分厚い対空弾幕をものともせず、飛行甲板を撃ち抜いて大爆発を起こします。
母機の生き残ったクルーが涙を呑んで見届けるなか、野上少尉の乗る桜花が突入した瞬間、激しい閃光とともに描かれる虚無感と圧倒的な切なさは、読者の涙腺を激しく揺さぶる伝説のラストシーンとして語り継がれています。