梅の木の剪定時期は夏と冬で何が違う?花が咲かない原因と正しい切り方
梅の木の剪定時期は夏と冬で何が違う?花が咲かない原因と正しい切り方について詳しく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
「毎年まじめに手入れをしているのに花が咲かない」という現象には、植物生理学に基づいた明確な理由があります。結論からいえば、7月〜9月に枝先を刈り込んだか、冬に花芽のない徒長枝だけを残して切ってしまったことが主因です。
梅の花芽は、気温が上昇する7月〜8月に前年枝・今年枝の葉腋(葉の付け根)で細胞分裂を起こして形成されます。これを「花芽分化」と呼びます。この時期以降に「庭の枝が伸びて見苦しいから」と生け垣のようにバリカンや刈り込みバサミで外周を刈り落とすと、形成されたばかりの花芽をすべて自ら切り落とす結末を迎えます。秋から初冬にかけての不用意な枝先カットは、開花を放棄する行為に等しいのです。
また、冬剪定を行う際に必須となるのが「梅 剪定 花芽の見分け方」です。12月に入ると、枝につく芽の形状にはっきりとした差異が現れます。
- 花芽(はなめ):球形に近く、ぷっくりと丸みを帯びてふくらんでいる。触るとやや柔らかく、短い枝(長さ10〜15cm以下の短枝)に2〜3個固まってつく傾向がある。
- 葉芽(はめ):細長く先端が尖っており、扁平で枝に張り付くように位置している。勢いよく直線的に伸びた太い枝(徒長枝)に多く見られる。
梅の花は、前年春から初夏にかけて伸びた10cm前後の「短枝(たんし)」や「中枝」に最も多く付きます。長さ30cm〜1mを超えるような勢いの良すぎる徒長枝には、先端付近にしか花芽が付かないか、あるいは葉芽ばかりが集中します。剪定時に残すべきは、ふっくらとした花芽を蓄えた短い枝であり、邪魔だからと短枝をすべて払い落としてしまうと、春の開花数は激減します。