ティラミスヒーロー事件の真相と現在|商標乗っ取り騒動の全貌
ティラミスヒーロー事件の真相と現在|商標乗っ取り騒動の全貌に関する深掘り記事を分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。
この前代未聞のトラブルは、2012年にシンガポール本店を構えた瓶入りティラミス専門店「The Tiramisu Hero(ティラミスヒーロー)」が、日本市場で爆発的な人気を博したことから端を発します。愛らしい黒猫のキャラクター「アントニオ」が描かれた瓶と、上質なマスカルポーネを使った本格的な味わいが話題を呼び、2013年頃から日本の百貨店催事などでも数時間待ちの行列ができる定番スイーツとなっていました。
しかし、2019年1月に突如として事態は急変します。人気パンケーキ店「gram」を展開していた株式会社gram(代表取締役:塚本光映氏)が、東京・表参道に「HERO’S」というティラミス専門店をオープン。そこで掲げられたブランドロゴ、ガラス瓶のパッケージ、そしてマスコットの黒猫イラストは、誰が見てもシンガポールのティラミスヒーローを彷彿とさせる酷似したデザインだったのです。
さらに調査が進むと、株式会社gram側が「THE TIRAMISU HERO」の文字商標や、酷似した猫ロゴの図形商標を日本特許庁に対して先回りして出願し、すでに商標登録を完了させていた事実が白日の下に晒されました。日本における商標制度の「先願主義(先に出願した者が権利を得る原則)」を突いたこの手法により、長年愛されてきたシンガポールの本家が、日本国内で自らの屋号「ティラミスヒーロー」を名乗ることが法的に禁じられるという極めて理不尽な構造が完成してしまったのです。