なぜ日本の選挙は手書きなのか?マークシートが導入されない理由
なぜ日本の選挙は手書きなのか?マークシートが導入されない理由についての真相をご紹介します。
投開票日の夜、体育館などの開票所で繰り広げられる作業はまさに真剣勝負です。自動分類機で判別できなかった文字の乱れや汚れのある用紙は「疑問票」として弾かれ、選挙長と立会人(各陣営から推薦された市民・関係者)の机へ運ばれます。
開票作業における疑問票の判定基準は、公職選挙法と過去の判例に基づき厳密に規定されています。
- 有効票の判断:候補者の姓のみ、あるいは名のみであっても、他に同姓・同名の候補者がいなければ有権者の意思が明白であるとして有効と判定されるケースが大半です。平仮名書きや多少の漢字の誤字(偏や旁の書き間違い)も有効として拾われます。
- 按分票(あんぶんひょう)の処理:例えば同一選挙区に「山田太郎」と「山田一郎」が立候補しており、投票用紙に「山田」とだけ書かれていた場合、無効票にはせず両者の確定得票数の比率に応じて小数点単位で票を分け合う計算処理がなされます。
- 無効票の厳格な除外:候補者名に加えて「がんばれ」「当選祈願」などのメッセージやハートマークなどの記号が添えられている場合、法律上の「他事記載」に該当し、どんなに筆跡が綺麗であっても無効票として除外されます。
現場を取材すると、立会人たちが目を凝らして一枚の用紙を見つめ、有権者の投票意思を読み取ろうとする緊張感が伝わってきます。マークシート方式であれば「塗りつぶしの濃度不足」や「機械のエラー」として機械的に切り捨てられてしまう一票を、生きた人間の審理によって最大限救い上げるプロセスがここには存在します。