征夷大将軍とは?天皇・関白との違いと武士の頂点に君臨した歴史の全貌
征夷大将軍とは?天皇・関白との違いと武士の頂点に君臨した歴史の全貌について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。
征夷大将軍に関しては、江戸時代以降の創作や明治期の歴史観によって形成された数々の誤解が存在します。史実に基づき、代表的な2つの盲点を検証します。
誤解1:「源氏でなければ征夷大将軍になれない」の嘘
「源氏長者(源氏の棟梁)でなければ将軍になれない」という言説は極めて有名ですが、歴史事実は異なります。鎌倉幕府の4代・5代将軍は藤原氏(摂家将軍)であり、6代から9代将軍は皇族出身の「宮将軍(親王将軍)」でした。
また、足利尊氏や徳川家康が清和源氏を名乗ったのは事実ですが、家康の新田氏系譜の詐称疑惑に代表されるように、「源氏であること」は後付けの正統化の道具に過ぎませんでした。権力を掌握した実力者が、権威付けのために源氏の血統を主張したというのが実態です。
誤解2:「幕府」という言葉は当時使われていなかった?
今日私たちが使う「鎌倉幕府」「室町幕府」「江戸幕府」という区分や呼称は、実は当時の公式用語ではありません。幕府とは本来、出征中の将軍が張る「幕舎(テント)」を意味する唐名でした。当時は「公儀」「関東」「柳営」などと呼ばれており、歴史用語として「〇〇幕府」という呼称が一般化したのは、幕末から明治期以降の歴史編纂によるものです。