ブレスオブファイア4が不朽の名作と語り継がれる理由と鬱展開の真相
ブレスオブファイア4が不朽の名作と語り継がれる理由と鬱展開の真相にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。
本作を語る上で避けて通れないのが、多くのプレイヤーに生涯消えない精神的ショックを与えた「エリーナ王女の悲劇」です。クレイの婚約者であり、妹ニーナが命がけで捜索を続けていたエリーナ。物語の終盤、フォウ帝国の研究施設で明かされたブレスオブファイア4のエリーナの真相は、全年齢向けRPGの常識を根底から覆すおぞましいものでした。
帝国軍の科学者ユナが主導した生体兵器「呪砲」――それは、強い怨嗟や絶望の感情を抱えた生物を触媒(人柱)として撃ち出す外道の戦略兵器でした。エリーナはその触媒として長期にわたり肉体改造と精神的凌辱を受け、下半身が無残な肉腫の怪物と融合した異形の姿へと成り果てていたのです。「もう、元の身体には戻れない」「生きていて、ごめんなさい」と涙ながらに告げるエリーナは、婚約者であるクレイの手による安楽死を懇願。プレイヤーは見守ることしかできない画面の暗転の後、クレイの慟哭とともに銃声が響き渡るという、あまりに救いのない結末を迎えました。
この凄惨な事態を引き起こした張本人であるブレスオブファイア4のユナの結末は、さらにプレイヤーの怒りを煽るものとなりました。ユナは自身の狂気的な研究を「科学の進歩」「神の模倣」とうそぶき、最終決戦の場にすら現れず、戦乱の混乱に乗じて飄々と逃亡。一切の断罪や報いを受けることなく物語からフェードアウトします。当時のユーザーアンケートやネット掲示板では「なぜユナを討伐する隠しダンジョンがないのか」「胸糞が悪すぎる」といった悲鳴が殺到しました。
では、なぜ開発陣はこのような過酷なプロットを組み込んだのでしょうか。ブレスオブファイア4の鬱展開の理由を読み解く鍵は、本作の根底に流れる「戦争の不条理」と「人間の矮小さ」の告発にあります。勧善懲悪のファンタジーでは悪人は最後に打倒されカタルシスが供給されますが、現実の戦争犯罪や構造的暴力において、黒幕が責任を逃れて生き延びる事例は枚挙にいとまがありません。ユナという裁かれない怪物の存在とエリーナの犠牲は、神であるフォウルが「人間は滅ぼすべき下劣な存在である」と確信する決定的なトリガーとして、シナリオ上極めて残酷かつ必然的なリアリズムとして配置されていたのです。