田部井淳子の夫・政伸氏の現在と半生|偉業を支えた夫婦の絆
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世界初のエベレスト女性登頂者として世界中に名を知られる田部井淳子氏ですが、その夫である田部井政伸氏もまた、山岳界では知る人ぞ知る筋金入りの実力派登山家でした。
政伸氏は本田技研工業(ホンダ)の技術系社員として定年まで勤め上げた実直なエンジニアです。ものづくりと論理的思考を重んじる職業人である一方、週末や休暇となれば険しい山嶺へ向かい、当時の日本のアルパインクライミング界で屈指の難壁とされた谷川岳の一ノ倉沢などを舞台に、先鋭的な登攀に情熱を傾けていました。
メディア露出を好む派手な性格ではなく、実直で穏やか、かつ何事にも動じない芯の強さを持っていた政伸氏。妻・淳子氏の挑戦を「一歩引いた場所から支える夫」というパブリックイメージを持たれがちですが、実態は「互いの技術と覚悟を認め合う、対等な岳友(山仲間)」という表現が最も正確です。山のリスクを誰よりも熟知していたからこそ、彼女の登山に対する純粋な渇望を理解し、妻の夢を一度たりとも否定することはありませんでした。