ガイコツパンダホヤの正体とは?久米島で話題の怪生物と学名の真相
ガイコツパンダホヤの正体とは?久米島で話題の怪生物と学名の真相の背景について、専門知識を詳しくお届けします。
ガイコツパンダホヤを一目見た多くの人が抱く最大の疑問は、「なぜ海中の無脊椎動物が、陸上の哺乳類(パンダ)や人体の骨格のようなデザインを持っているのか」という点に尽きます。現地で撮影されたマクロ写真を見ると、頭部にはパンダの目・鼻・耳に酷似した黒いドットが配置され、胴体部には等間隔に並んだ白い肋骨のようなストライプが鮮明に浮かび上がっています。
北海道大学大学院理学研究院の研究チームが発表した論文によると、この「骨」のように見える白いラインは実際の骨格組織ではなく、鰓嚢(さいのう:呼吸と摂食を行う器官)の横走血管に白い組織が沈着したものです。ホヤの仲間は無脊椎動物であり、カルシウムからなる骨は一切存在しません。光を透過する極めてクリアな被嚢(ひのう:体を包む外皮)を持っているため、内部の血管構造がまるでレントゲン写真のように外部へ浮き彫りになります。
一方、愛嬌を醸し出す「パンダの黒い顔」の正体は、感覚器官が集約された神経節や入水孔・出水孔周辺に見られる特異な色素パターンです。黒い斑点が偶然にも両目の位置と鼻・口の位置に配置され、さらに上部の黒班がパンダの耳のように見えることで、人間の脳が顔として認識する「パレイドリア現象」を引き起こしています。自然界の偶然の造形が生み出した、極めて稀有な進化のイタズラと言えます。