牛乳で身長は伸びる?カルシウム神話の嘘と医学が明かす本当の真実
牛乳で身長は伸びる?カルシウム神話の嘘と医学が明かす本当の真実の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
子どもの身長について語る際、避けて通れないのが遺伝と環境の議論です。近年の双子研究やゲノム疫学調査によると、身長と遺伝の影響割合はおよそ70〜80%が遺伝的要因に規定されていると報告されています。両親の身長から子どもの予測最終身長を割り出す「ターゲット身長(Target Height)」の計算式(男子=[父親の身長+母親の身長+13]÷2、女子=[父親の身長+母親の身長−13]÷2)が小児科臨床で広く使われているのもこのためです。
ただし、残りの20〜30%を占める環境要因(栄養・睡眠・運動・心理的ストレスなど)を軽視することはできません。この環境要因の最適化によって、遺伝的ポテンシャルを上限まで引き出せるかどうかが左右されます。では、カルシウム以外で成長期に身長を伸ばす栄養素とは一体何なのでしょうか。
医学的に最重要視されるのは、骨の基質(骨基質)の主原料となるタンパク質とアルギニンの効果です。骨の体積の約50%はコラーゲンというタンパク質で構成されています。十分なタンパク質が摂取されて初めて、骨端線で新しい骨の土台が作られます。
さらに、必須アミノ酸に準ずるアルギニンは下垂体からの成長ホルモン分泌を自然に刺激する働きがあり、骨の代謝回転を後押しします。また、タンパク質の合成を助ける「亜鉛」、腸管からのカルシウム吸収を促進する「ビタミンD」、骨への沈着をサポートする「ビタミンK」や「マグネシウム」など、複合的な栄養バランスが揃って初めて健全な骨伸長が成立します。