イギリスの正式名称はなぜ長すぎる?4カ国の違いと日本での呼び名の真相
イギリスの正式名称はなぜ長すぎる?4カ国の違いと日本での呼び名の真相について見逃せない 注意点を分かりやすく解説いたします。
世界的に「UK」や「Britain」と呼ばれているにもかかわらず、なぜ日本国内では「イギリス」というまったく異なる呼称が完全に定着したのでしょうか。その起源は、16世紀半ばの戦国時代から江戸時代初期にかけての南蛮貿易時代に遡ります。
当時、日本に最初に渡来したヨーロッパ人はポルトガル人やスペイン人でした。ポルトガル語でイングランド人やイギリスのものを指す言葉は「Inglez(イングレス)」、オランダ語では「Engelsch(エンゲルシュ)」と呼ばれていました。当時の日本人がこれらを耳で聞き取り、日本語の音韻に合わせて「エゲレス」や「イギリス」、そして現在の「イギリス」へと転訛させたのが直接の起源です。
江戸幕府の公式記録や幕末の外交文書でも「英吉利(イギリス / エゲレス)」という漢字の当て字が使われ、明治維新以降もその略称である「英国」とともに一般社会へ深く浸透しました。
ここで注目すべき決定的な事実は、もともと「イングレス」は連合王国全体ではなく「イングランド(England)」単体を指す言葉だったという点です。当時の日本人は、イングランドが周辺のウェールズやスコットランド、アイルランドを包含して巨大な連合王国を形成している実態を正確に区別しておらず、中心地であった「イングランド」の呼称を国全体の総称としてそのまま当てはめてしまいました。その結果、本来は1つの構成地域の名前に過ぎない言葉が、日本独自の外来語「イギリス」として現在に至るまで定着し続けることになったのです。