にんじんの栄養を捨てるな!皮ごと&油調理で吸収率が跳ね上がる真相

にんじんの栄養を捨てるな!皮ごと&油調理で吸収率が跳ね上がる真相に関する主要なデータを丁寧に解説いたします。

長年にわたり料理研究家や健康情報番組で叫ばれてきた「にんじんを生ですりおろしたり他の野菜と混ぜると、ビタミンCが破壊されてゼロになる」という言説。このにんじん生食ビタミンC破壊の真相について、分子レベルの誤解を正しておく必要があります。

にんじんの組織内には、アスコルビナーゼ酵素の働き(正確にはアスコルビン酸酸化酵素)が存在します。にんじんの細胞をすりおろすなどして傷つけると、この酵素が空気に触れ、他の野菜に含まれる「還元型ビタミンC」から水素を奪って「酸化型ビタミンC」へと変化させるのは事実です。

しかし、かつて「破壊された」と騒がれた酸化型ビタミンCは、完全に消滅したわけではありません。近年の生化学研究で明確に示されている通り、酸化型ビタミンCは体内に入ると小腸や肝臓内で再び還元型へと復元され、ビタミンC本来の生理機能をしっかりと発揮します。つまり、分子の形が一時的にスライドしただけであり、栄養価値が根本から消え去るわけではないのです。

それでも還元型のまま安定して摂取したい場合は、酵素の弱点を突くだけで解決します。アスコルビナーゼは熱と酸に極めて弱い性質を持つため、「調理時に加熱する」あるいは「ドレッシングに酢やレモン汁を加える」だけで、酵素活性を完全にストップできます。生のにんじんサラダにレモンや酢入りのドレッシングを合わせる伝統的なレシピは、調理科学的にも極めて理にかなった知恵です。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest