あの夏、いちばん静かな海。結末の死因とラスト考察!名作の裏側

話題沸騰中の あの夏、いちばん静かな海。結末の死因とラスト考察!名作の裏側について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

本作は、その後の日本映画史を大きく塗り替えることになった北野武監督と久石譲の初コラボレーション作品としても極めて重要な位置を占めています。

それまでの北野作品(『その男、凶暴につき』『3-4X10月』)ではジャズや前衛的な劇伴が中心でしたが、本作では久石譲による透明感あふれる電子ピアノとストリングスの旋律が全編を包み込みます。メインテーマである『Silent Love』は、メロディの美しさの中に底知れぬ哀愁と海の広大さを宿しており、映画の情緒を決定づけました。

特筆すべきは、「極限までセリフを削る演出」です。主人公とヒロインが共に聴覚障害者という設定であるため、手話での激しい会話劇にする選択肢もありましたが、北野監督は手話すらも最小限に抑え、視線、足音、うなずき、そして波の環境音だけで感情を表現させました。言葉による説明を排したからこそ、久石譲の音楽が持つ感情の増幅力が最大限に発揮され、観客自身の想像力を強く刺激する構造となっています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest