同位体とは?同素体との決定的な違いから最新の医療利用まで徹底解説
同位体とは?同素体との決定的な違いから最新の医療利用まで徹底解説の真相について、最新情報を詳しくお届けします。
同位体は、原子核の安定度によって「安定同位体」と「放射性同位体(ラジオアイソトープ)」の2つに大別されます。中性子と陽子の比率が絶妙なバランスを保っている安定同位体は、半永久的にその姿を変えません。一方で、核内のバランスが崩れている放射性同位体は、放射線を放出して別の安定な原子核へと自然に変化(壊変)していきます。
この放射性同位体の性質を利用した代表的技術が、歴史的遺物や化石の時期を割り出す炭素14年代測定法です。大気中の炭素には、ごく微量の放射性炭素(¹⁴C)が含まれています。生物は生きている間、呼吸や食事を通じて大気中と同濃度の¹⁴Cを取り込み続けますが、死を迎えると新たな摂取が止まります。体内の¹⁴Cは約5730年の半減期で規則正しく減少し続けるため、遺物に残された¹⁴Cの残存比率を測定すれば、その生物がおよそ何年前に命を落としたのかを正確に逆算できます。
先端医療の現場でも放射性同位体は欠かせない武器です。がん細胞の早期発見に威力を発揮するPET検査では、陽電子を放出する同位体を取り込ませて病巣の正確な位置を可視化します。さらに近年の医療現場では、がん細胞に直接結合する薬剤にアルファ線などを放出する同位体を結びつけ、周囲の正常細胞を傷つけずに標的だけを体内から集中攻撃する標的アイソトープ治療(核医学治療)が目覚ましい治療実績を上げています。