タールとニコチンどっちが悪い?発がん性と強い依存性の真相を徹底解明
タールとニコチンどっちが悪い?発がん性と強い依存性の真相を徹底解明について知っておくべき ポイントを分かりやすく解説いたします。
ネット上のQ&Aサイトや喫煙者コミュニティで長年信じ込まれているのが、「タール1mgの軽いたばこに変えたから体への負担は激減した」という言説です。しかし呼吸器科の臨床現場において、これは低タールたばこ健康被害の誤解の最たるものとして警告されています。
その背景にあるのが「代償喫煙(コンペンセーション)」と呼ばれる行動心理です。人間の脳は、一定濃度のニコチンが血中に満たされないと激しい渇望感(禁断症状)を覚えます。そのため、タール・ニコチン値が低い銘柄を吸うと、無意識のうちに以下のような行動をとってしまいます。
・フィルターの空気穴を唇や指で塞いで吸う
・煙を肺の奥深くまで長く吸い込む
・1回の吸煙回数を増やし、フィルターの根元まで吸い尽くす
・1日の喫煙本数が以前より増える
実験室の機械測定では「タール1mg」と記録されても、実際の人間の吸い方では数倍のタールとニコチンが体内に取り込まれているケースが多発しています。深く吸い込むことで、かえって肺の末梢部にタールが沈着し、腺がんという悪性度の高い肺がんを誘発するリスクが指摘されているほどです。
もう一つの重大な盲点が、受動喫煙による健康被害です。周囲に拡散する「副流煙」には、喫煙者本人が吸い込む「主流煙」よりも高濃度の有害物質が含まれます。タール成分は壁やカーテン、衣服の繊維に染み込み、後から有害ガスを再放出する「三次喫煙(サードハンドスモーク)」の原因にもなります。自分が吸う煙のタール値を下げても、同居家族や子どもへの毒性曝露を劇的に減らせるわけではありません。