三億円事件の警察官の息子はなぜ急死したのか?少年Sの謎と隠蔽疑惑

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府中三億円事件が発生した直後、警視庁捜査本部が犯人像として導き出した条件は極めて限定的でした。雨の中、大型バイクを完璧に乗りこなし、警察手帳や発煙筒の扱いに精通している人物。さらに、犯行に使われた偽装白バイ(ヤマハ・スポーツ350R1を改造したもの)を現場付近で自在に操っていた事実から、白バイの特性を熟知した関係者が疑われるのは自然な流れでした。

そこで捜査線上に急浮上したのが、地元・立川周辺でバイクを乗り回し、窃盗や恐喝を繰り返していた不良少年グループ、通称立川グループのリーダー格であった少年S(当時19歳)です。少年Sの父親は、あろうことか警視庁の現役白バイ隊員。警察官の制服や装備品、警邏の内部事情を容易に知り得る環境にあり、体格や卓越したバイクの操縦技術も犯人像と恐ろしいほど一致していました。

さらに警察を緊張させたのは、事件直前に立川周辺で発生していた複数の脅迫事件です。日本信託銀行の支店長宅に脅迫状が送りつけられた手口と、少年S周辺の行動パターンに類似点が見られたことから、捜査本部は「本命中の本命」として少年Sの内偵を急速に進めていました。しかし、決定的な証拠を押さえる間もなく、事態は最悪の形で暗転します。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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