ラム肉とは?マトンとの決定的な違いや栄養・臭まない焼き方を徹底解剖

ラム肉とは?マトンとの決定的な違いや栄養・臭まない焼き方を徹底解剖とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

羊肉の名称は、動物の種類ではなく「月齢(年齢)」と「歯の本数(永久歯の有無)」によって国際規格や日本の輸入基準で明確に区分されています。一般に「羊肉」とひとくくりにされがちですが、その成長段階によって肉質や風味のプロフィールは劇的に変化します。

生後およそ12か月未満の仔羊を指すのがラム肉の定義と生後年数の基準です。羊は生後約1年で永久歯(門歯)が生え始めますが、永久歯が1本も生えていない仔羊から得られる肉だけが正式に「ラム(Lamb)」と呼称されます。母乳や良質な飼料で育つ期間が長いため、肉質は淡いピンク色をしており、水分が多くしっとりとした柔らかさを持つ点が仔羊肉の特徴です。

一方、2歳以上の成熟した羊の肉を「マトン(Mutton)」と呼びます。永久歯が2本以上生えそろった成羊であり、牧草を長期間反芻(はんすう)して育つため、筋肉が発達して赤身の色が濃く、独特の力強い野性味ある香りと深いコクを備えています。北海道の伝統的なジンギスカン文化において、タレにしっかり漬け込んでその濃厚な旨味を楽しむ愛好家にはマトンが古くから支持されてきました。

さらに、食肉業界で「隠れた名肉」として注目されているのがホゲットとの違いです。ホゲット(Hogget)とは生後1年以上2年未満、永久歯が1〜2本の若齢羊を指します。ラムの柔らかさとマトンの深い旨味・適度な脂のコクを兼ね備えたバランスの良い個体ですが、飼育期間の管理がシビアなため流通量が限られており、専門店以外で見かけることは稀な希少種です。

岩手県遠野市で長年ジンギスカン文化を牽引する専門食肉店「じんぎすかん あんべ」の職人も、「羊肉と聞いただけで敬遠する方のほとんどは、過去に不適切な保存状態で流通したマトンを食べた記憶が残っているケースが多い。鮮度の高い生後1年未満のラムを口にすると、その繊細な柔らかさと上品な香りに価値観を覆される」と指摘しています。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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