猿のお尻はなぜ赤い?毛が生えない理由と進化の驚くべき真相

猿のお尻はなぜ赤い?毛が生えない理由と進化の驚くべき真相とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

野生下や動物園のニホンザルを観察していると、時期によってお尻の赤さや張り具合が全く異なることに気付きます。この変化の鍵を握っているのが発情期における性ホルモンの分泌です。

ニホンザルの繁殖期(主に秋から冬にかけて)になると、メスの体内では卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に上昇します。このホルモンは臀部や顔面の血管を拡張させ、血流量を大幅に増加させる働きを持ちます。その結果、普段よりも一段と鮮やかな深紅へと染まり、皮膚の下に水分が溜まることでパンパンに腫れ上がります。この現象を専門用語で「性皮腫脹(せいちしゅちょう)」と呼びます。

この変化は、群れのオスたちに向けた明確なメッセージです。

  • 受精能力のアピール:「現在は受胎可能な状態である」ことを周囲に知らせ、交尾行動を誘発する。
  • 健康状態の誇示:十分な栄養と体力がある個体ほど血行が良く、艶のある鮮やかな赤色になるため、オスが優秀な交配相手を選ぶ基準となる。
  • オスの優位性誇示:オス側もテストステロン(男性ホルモン)の分泌により顔やお尻の赤みが増し、群れの中での強さや順位を周囲に誇示する。

嗅覚によるフェロモン感知が主力を占める他の多くの哺乳類に対し、霊長類は進化の過程で「赤色を識別できる3色型色覚」を発達させました。赤く腫れたお尻は、視覚を重視するサル社会における究極の広告塔として機能しているのです。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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