人工透析は人生終わりなのか?生存率データと最新在宅技術が渡す希望
人工透析は人生終わりなのか?生存率データと最新在宅技術が渡す希望の真相について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
なぜ多くの人々が透析に対してこれほどの恐怖を抱くのか。背景には、昭和や平成初期における「透析=重篤な病気の末期」という昔ながらのイメージが社会に強く残っている点が挙げられる。しかし、日本透析医学会が毎年公表している大規模な全国統計データを見れば、その実態は一変していることがよくわかる。
現在、我が国における透析患者の生存率は世界トップクラスだ。ダイアライザー(人工腎臓)の濾過膜性能の飛躍的な向上、透析液の超純水化(ウルトラピュア化)、さらに貧血治療薬やリン吸着薬をはじめとする薬物療法の進歩により、透析に伴う長期合併症のリスクは著しく減少した。かつて死因の上位を占めていた重篤な感染症や心不全の制御技術も大きく進展している。
日本透析医学会の最新集計によると、透析導入後の5年生存率はもちろん、15年、20年以上にわたって元気に社会生活を継続している患者は決して珍しくない。30年以上透析を続けながら現役で働き、趣味を楽しんでいる高齢者の事例も数多く報告されている。医療の質が高まった今、「透析を始めたらすぐに命が尽きる」という言説は明確な誤解であり、根拠のない都市伝説に過ぎない。