『おもひでぽろぽろ』ラストの真相|タエ子の結婚とあべくんの拒否理由
『おもひでぽろぽろ』ラストの真相|タエ子の結婚とあべくんの拒否理由にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
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本作屈指のトラウマエピソードとして語られるのが、貧困家庭から転校してきた「あべくん」との確執です。不衛生な身なりを理由にクラスメイトから露骨にいじめられていたあべくんは、再び転校することになり、最後の別れとして全員と握手を交わします。しかし、タエ子の前に立った瞬間、彼は「お前とは、いやだ」と言い放ち、握手を拒絶して教室を去りました。
この行動の真意は、単なる嫌がらせや照れ隠しではありません。タエ子は他の女子生徒のようにあべくんを露骨に汚がることはせず、表面的には「分け隔てなく接する良い子」を演じていました。しかしその内面には、「汚いものを避けたいという無意識の嫌悪感」と「同情してあげる側の優越感」が潜んでいました。あべくんは、タエ子の放つ無菌室のような清潔さと、そこに隠された残酷な憐憫(偽善)を誰よりも敏感に見抜いていたのです。
あべくんにとって、握手拒絶は奪われ続けた自己の尊厳を守るための唯一の抵抗でした。タエ子が大人になってもこの出来事を「心のトゲ」として引きずり続けたのは、自分自身の内面にあった傲慢さをあべくんによって白日の下に晒されたからに他なりません。