冠動脈とは?命を支える3本の構造と心筋梗塞を防ぐ前兆・最新治療
冠動脈とは?命を支える3本の構造と心筋梗塞を防ぐ前兆・最新治療の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
冠動脈(Coronary Artery)は、大動脈の根元(大動脈弁直上のバルサルバ洞)から左右2本に枝分かれし、さらに細かく分岐しながら心臓全体を包み込んでいます。解剖学上、心臓のポンプ機能を維持するために極めて重要な「3本の主要冠動脈」に大別されます。
心臓の各部位への血液供給は、これら3本が緻密に役割分担しています。
- 左前下行枝(LAD:Left Anterior Descending):左冠動脈本幹から分岐し、心臓の前面を下行する最も重要な血管です。全身へ血液を送り出す主ポンプである「左心室の前壁」や「心室中隔」の約半分に血液を供給しており、ここが閉塞すると広範囲の心筋が壊死に陥るため、医学界では「ウィドウ・メーカー(未亡人製造器)」とも呼ばれるほど致命的です。
- 左回旋枝(LCx:Left Circumflex):左冠動脈から心臓の左側面・後面へと回り込む血管です。左心室の側壁や後壁へ酸素を届け、心臓のしなやかな拡張と収縮を支えています。
- 右冠動脈(RCA:Right Coronary Artery):大動脈から右側へ伸び、右心室、心臓の底面(下壁)、後壁へと血液を送ります。さらに、心臓の電気刺激を司る「洞結節」や「房室結節」といった刺激伝導系に血液を供給する役割も担っており、障害されると重度の徐脈性不整脈を引き起こします。
これら3本の血管径はわずか2〜4ミリメートル程度しかありません。ストローよりも細いこの流路が、全身の生と死を左右する血液循環を休むことなく支え続けています。