Wands「天使になんてなれなかった」歌詞の真相と第2期の葛藤
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アルバム『PIECE OF MY SOUL』の7曲目に配置された「天使になんてなれなかった」は、上杉昇 作詞、柴崎浩 作曲、葉山たけし編曲による重厚なミディアム・ロックナンバーです。ファンの間で行われるWANDS 天使になんてなれなかった 歌詞意味の考察において、最も決定的な視点となるのは「天使」というワードが象徴するアイロニーです。
1990年代前半のビーイングブームにおいて、WANDSは「もっと強く抱きしめたなら」「愛を語るより口づけをかわそう」「世界が終るまでは…」など、清涼感あるメロディアスなヒットチューンを量産するトップランナーでした。しかし、メディアや大衆が求める「爽やかな好青年」「完璧なポップスター」というパブリックイメージは、ボーカリストである上杉昇自身の内面を次第に圧迫していきます。
当時のインタビュー手記や関係者の証言を振り返ると、上杉は自身に向けられる無垢な期待や虚像を「天使」に見立て、そこへ適応しきれず壊れていく生身の人間性を「天使になんてなれなかった」という痛烈なフレーズで吐露したと読み解けます。歌詞中に散りばめられた無力感や苛立ち、欺瞞への嫌悪は、単なる失恋の痛手を描いたものではなく、商業的成功の渦中で自己のアイデンティティを保とうとした表現者の壮絶なレジスタンスだったといえます。