徳川最後の名邸「戸定邸」の真価|昭武と慶喜の絆・見どころ完全網羅
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国の重要文化財(指定名称:旧徳川家住宅松戸戸定邸)である戸定邸は、平屋建て(一部2階建て)の木造建築であり、表座敷棟、中奥棟、奥座敷棟、離座敷棟、台所棟など9棟が巧みに連結された大規模な構造を誇ります。明治期の華族邸宅の多くが豪奢な洋館へと変貌していった中で、日本の伝統的な数寄屋風書院造りを基調としつつ、欧州の快適な住居感覚を巧みに落とし込んだ唯一無二の設計が光ります。
最大の見どころの一つが、南向きに広がる客間(表座敷)からの眺望です。杉の丸太や面皮柱をふんだんに用いた繊細な造作、一枚板の欄間に彫られた見事な透かし彫り、そして視界を遮らない計算された柱の配置が、訪れる者を優雅な静寂へと誘います。
主屋の南側に広がる「戸定邸庭園」は、平成27年(2015年)に国の名勝(旧徳川昭武庭園)に指定されました。明治初期の洋風庭園の要素である広大な「芝生空間」と、日本の伝統的な「東屋・飛び石・築山」が融合した先駆的な和洋折衷庭園です。晴れた日には江戸川越しに遠く富士山を望む雄大な借景が広がり、当時の昭武が愛した視界が現代の松戸市にもほぼそのまま残されています。
また、紅葉の見頃を迎える11月下旬から12月上旬にかけては、書院の障子越しに鮮やかなモミジの赤と庭園の緑が織りなす極上のコントラストを堪能でき、関東有数のフォトスポットとして賑わいます。