噛むとこめかみが痛いのはなぜ?顎関節症の兆候と病院の受診目安

噛むとこめかみが痛いのはなぜ?顎関節症の兆候と病院の受診目安について知っておくべき 事実を厳選して解説いたします。

咀嚼に伴う側頭部の痛みを引き起こす代表的な病態として、まず挙げられるのが顎関節症こめかみの痛みです。日本顎関節学会の病型分類において、咀嚼筋の障害を主病態とする「Ⅰ型(咀嚼筋痛障害)」では、下顎を動かすたびに側頭筋や咬筋へ痛みが放散することが明確に定義されています。顎の関節自体に異常がなくても、筋肉の異常緊張だけでこめかみに強い痛みが生じるケースは臨床上極めて一般的です。

さらに背景として見逃せないのが、現代人に急増している食いしばり歯ぎしり頭痛のメカニズムです。睡眠中の無意識なブラキシズム(歯ぎしり)や、日中に上下の歯を無意識に接触させ続ける「TCH(歯列接触癖)」が存在すると、側頭筋は24時間近く緊張を強いられます。通常、安静時には上下の歯の間に1〜3ミリ程度の隙間(安静空隙)が存在し、接触時間は1日合計でわずか15〜20分程度とされています。これが数時間におよぶ接触癖に変わるだけで、側頭筋には自重以上の過負荷が蓄積し、食事の刺激が引き金となって強い痛みとして顕在化します。

また、口腔内のトラブルである虫歯からくるこめかみの痛みも重大な誘因です。重度の虫歯によって歯髄(神経)や歯根膜に炎症が及ぶと、関連痛(放散痛)として三叉神経を経由し、こめかみ周辺に激痛を投影することがあります。さらに「痛む歯を避けて反対側ばかりで噛む」という偏った咀嚼動作が習慣化することで、片側の側頭筋だけに極端な筋疲労が集中し、二次的な痛みを誘発する負の連鎖を生み出します。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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