水金地火木土天海冥から冥王星除外の真相!消えた理由と現在の分類

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1930年にアメリカの天文学者クライド・トンボーによって発見されて以来、70年以上にわたり第9惑星の座を守り続けてきた冥王星。なぜ突如としてその座を追われることになったのか。その引き金を引いたのは、皮肉にも天文学者たちの観測技術の進化でした。

1990年代以降、海王星のさらに外側に広がる「エッジワース・カイパーベルト」と呼ばれる領域から、氷と岩石でできた小天体が雪崩を打つように見つかり始めました。そして2005年、マイク・ブラウン博士らの研究チームが天体「エリス(発見時の仮符号:2003 UB313)」を発見します。当時の観測データでは、エリスのサイズは冥王星と同等か、あるいはそれを上回る質量を持つと算出されたのです。

天文学界は深刻なジレンマに直面しました。「エリスを第10惑星として認めるべきか」、それとも「エリスと同類の天体である冥王星を惑星から外すべきか」。カイパーベルト天体の探査が進めば、今後第11、第12の似たような天体が数十個から数百個単位で見つかることは明白でした。もし冥王星を惑星のまま残せば、教科書の太陽系惑星一覧は収拾がつかないほど膨れ上がり、子どもたちが覚えるべき「惑星」という概念そのものが破綻してしまう危機が生じたのです。

この混乱を収拾するため、国際天文学連合(IAU)は天文学の歴史上初めて、厳密な「惑星の定義」を策定しました。採択された新基準は以下の3点です。

  • 第1条件:太陽の周りを公転していること。
  • 第2条件:十分な質量を持ち、自らの重力(自己重力)によってほぼ球形を保っていること。
  • 第3条件:その軌道の周囲から、他の天体を排除(一掃)していること。

冥王星は第1条件と第2条件を難なくクリアしました。しかし、決定打となったのが第3条件の「軌道周囲の天体の一掃(Clearing the neighbourhood)」です。惑星は自らの巨大な引力によって、公転軌道上にある他の小天体を衝突・合体させるか、衛星にするか、あるいは軌道外へ跳ね飛ばして「独占的な支配者」となっていなければなりません。

地球の軌道上にある物質の総重量に対し、地球自身の質量は約170万倍にも達します。これに対し、冥王星の軌道周囲には膨大な数のカイパーベルト天体が存在しており、周囲の物質総量に対する冥王星の質量比はわずか0.07倍に過ぎませんでした。自らの重力で軌道を支配しきれていない冥王星は、この新基準を満たすことができず、正式に「惑星(Planet)」の看板を下ろすことになったのです。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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