おねがい」平仮名は本当に失礼?プロが教える正しいメール敬語マナー
おねがい」平仮名は本当に失礼?プロが教える正しいメール敬語マナーの基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
表記の正しさを整える上で、多くの実務担当者がつまずくポイントがお願いいたしますと致しますの違いです。日常のメールで無意識に「お願い致します」と漢字変換しているケースが散見されますが、文法的な観点からは明確な区別が求められます。
「いたします」は、動詞「する」の謙譲語「いたす」が補助動詞として機能している状態です。現代の公用文表記基準において、動詞の後に接続して敬意を添える補助動詞は「ひらがな表記」が原則とされています。一方で、漢字の「致します」は、「私が不徳の致すところです」「全力を尽くして業務を致します」といったように、それ自体が単独の動作を表す本動詞(引き起こす、届かせるの意)として用いるのが正式なルールです。文法的な厳密さを重んじる取引先や法務・総務系の現場では、「お願いいたします」と補助動詞を平仮名で記した表記が最も推奨されます。
また、同僚や部下に向けた日常の連絡で頻出するおねがいしますの敬語マナーにも注意が必要です。「お願いします」は丁寧語(お+動詞の連用形+ます)に該当するため、同僚や目下、あるいは気心の知れた間柄での業務指示・情報共有には適しています。しかし、社外の重要顧客や役員クラスに対して「お願いします」だけで依頼を締めくくるのは、敬意の深度としてやや物足りません。目上の立場にある相手に対しては、自らの動作をへりくだる謙譲表現である「お願い申し上げます」や「お願いいたします」へと引き上げるのが、失礼を避けるための鉄則です。
ネット上では「平仮名で書く『おねがいいたします』は誤用なのか」という疑問も散見されます。これは文法的な誤りというよりも、名詞部分まで平仮名にしてしまうことによる「視覚的な敬意の希薄化」が問題の本質です。おねがいいたしますの誤用と真相を解き明かすならば、文法エラーではなく「ビジネス文書としての格式の欠落」が読み手に違和感を与える要因となっています。