「平安の怪物」川口知哉の現在地|ドラ1の挫折とイップスを越えた歩み
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現役引退後、川口知哉は一度野球から離れ、一般企業での勤務やスポーツ施設での職務を経験します。華やかなプロ野球ドラフト1位から一転、社会の厳しさに直面したこの期間が、後の指導者としての人間性を大きく育てることになりました。
再び野球の現場へ戻る転機となったのが、女子プロ野球リーグ(JWBL)の立ち上げでした。2010年以降、京都アストドリームスやサウス・ディオーネ(後の兵庫ディオーネ)の監督・コーチを歴任。感情的な指導ではなく、選手一人ひとりの骨格や心理状態に寄り添う丁寧なアプローチを徹底し、リーグ屈指の名指導者として選手たちから絶大な信頼を集めました。
さらに視野を広げるため、関西独立リーグの審判員にも挑戦。捕手の真後ろからボールの軌道や配球、打者の心理を観察し直した経験は、投手のメンタルや投球フォームを多角的に分析する大きな武器となりました。「挫折したからこそ、うまくいかない選手の気持ちが痛いほどわかる」という信念が確立された時期です。