小樽芸術村ステンドグラス美術館の全貌|英国遺産が絶賛される深層
小樽芸術村ステンドグラス美術館の全貌|英国遺産が絶賛される深層に関する最新のニュースを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。
展示室へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが館内中央に鎮座する巨大なステンドグラス群です。当館には約140点に及ぶコレクションが所蔵されており、そのひとつひとつに聖書のエピソードや英国の歴史的物語が克明に描き込まれています。
数ある展示のなかでも、鑑賞者が足を止めて息を呑む筆頭が、新約聖書のクライマックスを描いた『最後の晩餐』です。レオナルド・ダ・ヴィンチの名画でも知られる構図ですが、ステンドグラスならではの透過光によって、イエス・キリストの穏やかな表情と、銀貨の袋を握りしめるイスカリオテのユダの動揺した陰影が、ガラスの凹凸とグリザイユ(黒褐色顔料)の繊細な絵付けで見事に描き分けられています。
また、『カンタベリー大聖堂のトマス・ベケット殉教』にまつわる作品や、英国各地のギルド(職人組合)が寄進した大型窓も見逃せません。作品を細部まで観察すると、赤いガラスには本物の金を溶かし込んだ「ゴールドルビーガラス」が贅沢に使われており、現代の量産ガラスでは再現できない深紅の輝きを放っています。光を通すためだけに作られたのではなく、光そのものを絵の具として扱った19世紀英国アーツ・アンド・クラフツ運動の気骨を、わずか数十センチの至近距離から観察できる贅沢さは世界的に見ても稀有です。